こんにちは！
先日、お客様に見せる試作品を作っている際、失敗をしてしまいました・・・
その失敗を、豊富な経験値にてリカバーしていただいたエピソードを紹介します。

ボキーン！　軽い音とともにM3のタップが折れた。

顔面蒼白、どうしよう・・・
作業していた私は頭が真っ白になりました。

指先サイズのステンレスの角柱から、折れたタップがわずか数ミリ飛び出た状態。　
取り除く方法を考え試しましたが、びくともしません。　

お客様に見せる時間は決まっている、しかも角柱には別の加工が施されており
再度実施する時間も費用もない・・・

もうお手上げです。

開発部には、新商品の開発や、簡単な試作・評価・冶具作成を行う
VA（Value　Add）研究所があります。
そこには、複数のベテランアドバイザーがいます。

私は
「すんません、失敗しました・・・刺さったタップを除去し、ねじ穴を活かせませんか！！」
と、一縷の望みを胸に、VA研究所のアドバイザー達に相談しました。

アドバイザー達は、いろんな角度から観察し始めました。

我々のVA研究には放電加工機など特別な加工装置や機器はなく、
旋盤やボール盤、万力やサンダーなど一般的なものばかりです。

タップが刺さった穴にオイルを流し込み、
万力で製品を固定し、わずかに飛び出たタップの先端を目がけ、
サンダーで先をとがらせたペンチでつかんでみるも、ほとんど動かず
ペンチは滑るばかり・・・。

もうダメか、お客様と担当営業にお詫びの連絡をせねばと諦めかけたとき、
アドバイザーの一人が、固定方法を反転させ、
（折れたタップの先端を万力に固定し）取り外しを試みました。

すると、力の伝わり方が大きく変わり
ゆっくりだが折れたタップが回りだし、見事摘出に成功しました。

あー　良かった！！

そこから加工の得意なアドバイザーに仕上げてもらい
試作品を完成させることができました。

アドバイザーの豊富な経験と知識により
窮地を救っていただきました。　

「ピンチはチャンス」貴重な経験ができました。　

しっかりモノを見ること、モノの見方を変えること。

当たり前ですが、大事なことを学びました。