メッシュEMIガスケット選定の手引き② ガスケットの取付けと位置決め

ガスケットの取付けや位置決めの方法を慎重に選択することによって、かなりのコスト削減が可能になります。反対に、コスト削減のために最終的な素材を決定することもよくあることです。


A.溝へのはめ込み

 ダイキャストのように比較的低コストで溝を設けることができる場合には、この方法が最良です。
(注:「シールドラバー1」ガスケットは本来非圧縮性ですが、圧縮するように見えるのは素材がその体積を一定に保ちながらなおかつ流動するからです。従って、固体であるこのエラストマー素材が流動できるだけのすき間を設けておく必要があります。図27参照)
A.溝へのはめ込み
B.感圧接着剤(両面テープ) 

 これは、メッシュ・ガスケットの取付け方法としては最も低コストなものです。両面テープの付いていないガスケットに比べてわずかにコストが上がるだけで、取付けに要するコストを大幅に削減できます。多くの場合ユーザーは、高度の環境シールが要求されない場合には「シールドライン3」か「シールドガスケット」材を選定し、取付けの際、安価で一時的な方法としてゴムの部分に両面接着剤を貼りつけて使用します。 
 
 
C.ガスケットの非EMI部分の接着 

 EMIガスケットではない(かつ非導電性の素材によってフランジから絶縁されていてもよい)部分に、非導電性接着剤を使ってEMIガスケットを所定の位置に固定することができます。

 注:非導電性接着剤の使用を指定するとき、製造者向けの図面や基本手順書のなかで、その接着剤はEMI機能に関係していない部分にのみ塗布することを明確にしておく必要があります(「シールドシート1」を除く)。"ガスケットの半分ではなく全面にのりづけすればそれだけしっかり固定できるだろう"という考えは、結果的にはEMIシールド効果の極端な低下を招くことになります。

1)図28(a)は、この接着方法を「シールドライン3」や「シールドガスケット」に用いた場合が示されています。ここではエストマーの部分のみがフランジに接着されています。

2)コンボ状の「シールドラバー1」も、図28(b)のように非導電部分のみに限定すれば接着しても構いません。導電性の部分でも点接着なら構いません。

3)EMIシールドライン-取付けフィン(ヒレの部分)の付いた全金属あるいはエラストマー芯入りタイプは、取付けフィンの部分だけを非導電性の接着剤またはエポキシで接着すれば固定することができます(図28(c),(d))。

4)フレーム・ガスケットはそのアルミ・フレームの部分に限り非導電性接着剤またはエポキシで接着することができます。しかしフレーム・ガスケットは機械的にフランジに取り付けられているものがほとんどです(図28(e))。

非導電性接着剤の塗布

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